人生の教訓が詰まったアニメーション『カンフーパンダ』

  • 2017.06.04 Sunday
  • 22:18

JUGEMテーマ:映画

原題 Kung Fu Panda

製作 アメリカ(2008)

監督 マーク・オズボーン

出演 ジャック・ブラック、ダスティン・ホフマン、アンジェリーナ・ジョリーetc

★★★★☆

 

中国の山の奥深くに位置する平和の谷。動物たちの町で暮らすジャイアントパンダのポー(ジャック・ブラック)はカンフーオタクで、カンフーについての知識は豊富ながらも、その太った体系のため自身でカンフーをすることはできなかった。ガチョウの父のラーメン屋の手伝いをする日々の中で、ポーはカンフーマスターになることを夢見ていた。ある日、カメのウーグウェイ導師(ランダル・ダグ・キム)とレッサーパンダのシーフー老師(ダスティン・ホフマン)が「龍の戦士」を選抜するための演舞会を翡翠城で開くとのことで、カンフー好きのポーはいてもたってもいられなく、演舞会でラーメンの屋台を出す傍ら観戦しようと翡翠城に向かう。演舞会にはシーフー老師の弟子であるマスタータイガー(アンジェリーナ・ジョリー)、マスターサル(ジャッキー・チェン)、マスターヘビ(ルーシー・リュー)マスターカマキリ(セス・ローゲン)、マスターツル(デヴィッド・グロス)ら「マスターファイブ」がエントリーしていた。到着が遅れてしまったポーは城の門を閉められてしまう。憧れのマスターファイブのカンフーをなんとか見ようとしたポーは、ひょんなことから龍の戦士に選ばれてしまう。

 

『シュレック』などで有名なドリームワークスによるCGアニメーション。動物たちが暮らす古代中国を舞台とし、カンフーマスターを夢見るちょっぴりドジで食いしん坊の太ったパンダが、伝説の戦士に選ばれて修行を積んで悪の強敵と戦う様子を描く。全体的に明るくコメディタッチな作風なので、安心して誰でも楽しむことができる。個人的にカンフー映画が好物というだけではなく、ストーリー、アクション、メッセージ性などが普通に面白いこともあって、ドリームワークスの長編アニメ映画の中では単純にこのシリーズが1番好きだ。

 

製作に当たって、スタッフらは数年間かけて中国の様々な文化を研究したらしい。その成果もあって、古代中国をイメージした世界観はかなり深みがあってリアルな仕上がりになっている。よくありがちな、アメリカ人が思い込んでいる間違ったような中国像とはえらい違いだ。物語は2Dアニメから始まるんだけど、早速これが素晴らしい。色彩といい動きといい、これだけで1つの作品が成立しそうなほどのクオリティに思わず心を持っていかれるに違いない。

 

加えて過去の香港のカンフー映画も研究しただけあって、劇中で繰り広げられるカンフーバトルや演舞はCGらしさがありながらも動きはかなり繊細で見応えがあり、前述した世界観も兼ねてまさに「カンフー映画」に仕上がっているのだ。ただ、もちろん素手や武器を使って戦うシーンもあるものの、アクションの大部分は空中で飛び回りながら戦ったり町中を破壊しながら派手に戦ったりと、どちらかといえば『ドラゴンボール』などの日本の少年漫画のバトルスタイルに近いかな。まあその実写では表現できないような派手な描写こそがCGの醍醐味とも言えるので、特に違和感を感じることはなかった。動物がカンフーをするってアイデアも珍しいし、それぞれの動物ごとの自身の体を活かした戦法も異なっていて個性さが出ている。アクションの奇抜な画は観ていて楽しく、それこそ初期のジャッキー映画を観ているかのようだ。中盤、修行の一環としてシーフー老師とポーが箸で肉まんを取り合いながら戦うシーンがあるが、このシーンこそ元ネタとしてジャッキーが『クレージーモンキー 笑拳』で見せていたアクションであり、彼へのオマージュが見て取れる。

 

登場キャラクターたちが個性豊かなのも魅力的なポイントの1つだ。主人公のポーはパンダであるが、パンダらしいかわいらしさがあるキャラクターではない。ドジで太っていて愛嬌とは程遠いかもしれないが、笑いのユーモアとストイックな努力さを持ち合わせており、中でもカンフー=1つのことを深く愛する心にはとても共感ができた。随所でカンフー関連の物事に興奮したり、趣味が全開の自室など、カンフーオタクっぷりが爆発していてなんとも微笑ましい。普通のカンフー映画ならば、主人公が厳しい修行や特訓に耐え、最終的に心身ともに強く成長して敵を倒すというものがセオリーだ。確かにポーは師匠の元で修行を経てカンフーの技を習得して心も成長するが、完璧に強くなるわけではなく、どこかしら抜けたキャラはそのままだ。太ったボディが痩せるわけでもなく途中で疲れたり、むしろその体を利用した技も見せる。決してかっこいいとは言えないかもしれないが、これはこれで彼らしく愛着も湧くよね。

各キャラクターに起用された俳優陣があまりにも豪華すぎる!ジャック・ブラックに始まりダスティン・ホフマンアンジェリーナ・ジョリールーシー・リューセス・ローゲンマイケル・クラーク・ダンカンなど、映画に詳しくなくても聞いたことがあるような有名俳優や女優が集い、声で各キャラを個性的に演じている。やはり注目したいのが、マスターモンキーの声を演じるのが我らがジャッキー・チェンだということ!クレジットも一番最後で大御所枠で嬉しい限り。ちなみにマスターファイブの動物たちは、カンフーの型である虎拳、蛇拳、鶴の拳、蟷螂拳、猿拳からきてるんだろうな。それぞれ個性的なキャラだけど、ちょっと1人1人の活躍が薄いかなと思うことも。

 

「信じることが大切」というメッセージ性や、「昨日とは過去のもの、明日とは未知のもの、今日の日はもうけもの。それは天の贈り物」をはじめとする、いろいろ深く考えさせられて自分の人生にも響くような超名言があったりもする。決してアニメ映画とたかをくくってはいけないのだ。随所にほころびを忘れないコメディも挿入されて観やすいので、作品として1回は観てみる価値は絶対にある。

 

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