いきなりすぎる後味の悪さ『エイリアン3』

  • 2017.04.14 Friday
  • 21:07

JUGEMテーマ:映画

原題 Alien 3

製作 アメリカ(1992)

監督 デヴィッド・フィンチャー

出演 シガニー・ウィーバー、チャールズ・ダンス、チャールズ・S・ダットンetc

★★★☆☆

 

惑星LV-426から生還したリプリー(シガニー・ウィーバー)ら4人は、宇宙船スラコ号にて冷凍睡眠状態にあって地球へと帰還に向かっていた。ところが謎の事故が発生し、スラコ号から離脱した脱出艇は流刑惑星フューリーに墜落。その衝撃でヒックス伍長とニュートが死亡、アンドロイドのビショップ(ランス・ヘンリクセン)も機能停止し、かろうじてリプリーだけが一命を取り留める。惑星で放射性廃棄物用の鉛のコンテナを製造する囚人や看守らに助けられたリプリーは、仲間の死で深い悲しみに暮れる中、戸惑う囚人たちと生活を共にすることに。その一方で、脱出艇に潜んでいたフェイスハガーからエイリアンが密かに誕生していた。

 

はい、あらすじを読んでびっくら仰天した人も多いはず。冒頭の出来事だからネタバレにもならないと思うからもう1度言っちゃうけど、前作であんなにも必死に苦労して救出したニュートがあっさり死んじゃうんだよね〜。なんだそら!!なんでこんな冒頭から後味、いや前味悪くならんといかんのだ。初見の時は個人的にこれが結構ダメージでかくて、映画が終わるまでずっとどことなく浮かばれない気持ちでいたもんなー。デヴィッド・フィンチャー監督、やらかしおって。この人は後味が悪い映画を作ることに長けていることで有名だそうで。そもそも脚本の段階でかなり難航していたらしく、監督も何人か変更になっていたというのを聞くと、彼だけのせいではなく製作過程がいかにスムーズではなかったのが窺える。ファンの間では「エイリアンシリーズ最大の汚点」とまで言われている。

 

作風としては今回は前作と違って、1作目のように1匹のエイリアンが脅威になる物語である。だから前作のようにウジャウジャと湧くエイリアンを駆逐していくような爽快アクションを期待してはいけない。そこを考慮すると、確かにキャメロン監督が作り上げたあの素晴らしいベストな作品の続編を作るのは、どんな監督にしても酷な話だったのかもしれない。残念ながら、本作は総合的に前作を超えているとは思えない。これといって目立つような部分も無く、全体的に迫力に欠ける出来上がりだ。でも駄作というわけでもなく、作品として面白くないとは言わない。汚く寂れた製鉄所における、どこに潜んでいるか分からないエイリアンと団結した囚人らの追いかけ合い、エイリアンと自分のある関係性に苦悩するリプリー、宗教のような戒律の下で服役する男の囚人たちの中に、紅一点であるリプリーが介入したことで規律が乱れていくドラマ(禁欲の誓いをした囚人もいるので、当然混乱が起こる)など、今までにないような雰囲気は新鮮だった。撮影のために坊主姿になったシガニー・ウィーバーも印象的だ。もちろん終わりもなんとなく後味悪いが、これをシリーズ完結編として作ったのなら潔くていいのかも。でも結局数年後に『エイリアン4』が製作されちゃうんだけどね 笑

 

今回登場するエイリアンは、人間ではなく犬(完全版では牛)から生まれたニュータイプ。宿主が動物だからなのか、今までとは違って4足歩行で移動したりモロに人間の肉を食うシーンがある。血しぶき派の人には嬉しい設定なのかも。メイキングを観たら、エイリアンは4足歩行の際は、どうやら簡単に言えば手踊り人形みたいな模型で撮影しているようだった、確か。クネクネした動きを表現したかったのかは分からないけど、個人的には前作のキャメロン監督による、実寸大の模型を使った味のある映し方が好きだったので、本作のそれはなんだかかえって安っぽく見えてしまい残念だった。天井や壁を高速で移動するエイリアン視点のカメラワークはスピーディでかっこいい。劇中でリプリーがエイリアンに語りかけるシーンがあるが、その際に「長い付き合いね。他人とは思えない」という台詞を放つ。なんとこれ、シガニーが自身の心境を表現したアドリブだそう。この粋なアドリブ演出には思わず頭が下がる。

 

やっぱり全体的にインパクトの大きいシーンがない。実は人間ドラマもちょっと薄いかな。「劇場公開版」よりも「完全版」本編の方がストーリー全体がより濃くなっているので、「完全版」を観ることをおすすめする。なんでそれぞれで宿主が犬と牛と異なるのかは不明。

 

 

PR

calendar

S M T W T F S
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031   
<< May 2017 >>

selected entries

categories

archives

recent comment

  • 恋するランボー『ランボー 怒りの脱出』
    Jing Fu (12/28)
  • 恋するランボー『ランボー 怒りの脱出』
    craftsman-w (12/26)
  • 「いっち、にっ、いっち、にっ」『ムカデ人間』
    Jing Fu (12/15)
  • 「いっち、にっ、いっち、にっ」『ムカデ人間』
    asami (12/14)
  • 「いっち、にっ、いっち、にっ」『ムカデ人間』
    asami (12/14)
  • 頭を素でぶつけちゃうトルーパー『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』
    Jing Fu (12/11)
  • 頭を素でぶつけちゃうトルーパー『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』
    asami (12/09)
  • ラスト、はあ...『ミスト』
    Jing Fu (10/24)
  • DVP(ダニー・グローバーVSプレデター)『プレデター2』
    Jing Fu (10/24)
  • DVP(ダニー・グローバーVSプレデター)『プレデター2』
    craftsman-w (10/23)

recommend

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM