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- 2019.10.24 Thursday
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JUGEMテーマ:映画
原題 皇家戦士/ROYAL WARRIORS
製作 香港(1986)
監督 デヴィッド・チャン
出演 ミシェル・ヨー、真田広之、マイケル・ウォンetc
★★★★☆
香港警察の捜査官であるミッシェル(ミシェル・ヨー)は、東京での休暇中に偶然にもある殺し屋を取り押さえる。この殺し屋は、香港で指名手配中の犯罪グループの1人であった。翌日、その殺し屋を護送する飛行機に同乗するミッシェル。飛行機が離陸して間もなく、男の仲間が現れ、護送刑事を射殺してハイジャックを試みる。ミッシェルは、軽口を叩くお調子者の航空刑事マイケル(マイケル・ウォン)と、偶然乗り合わせた日本の優秀な元刑事ヤマモト(真田広之)らとともに男らを撃退、彼らは死亡する。香港の空港に降り立った彼らを映すテレビ画面を、憎悪の目で見つめる男がいた…。
『ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝』や『グリーン・ディスティニー』など、現在はハリウッドでも活躍する女優のミシェル・ヨー。最近では『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス』にカメオ出演してたっけ。そんな彼女がミシェル・キング名義だったころの超・初期主演作品。当時の香港映画としては珍しく、冒頭は東京の原宿にて日本ロケを行っている。共演には、なんと日本を代表するアクションスターである真田広之!これはファンとしても同じ日本人としてもテンションダダ上がり。香港と日本のアクションスターが顔を揃えた唯一のアクション映画である。ちなみに2人の再共演はおよそ20年後、意外にもサスペンス・スリラーの『サンシャイン2057』で実現することになる。
当然ながら、ミシェル姐さんも真田広之も若い!その点、2人が披露するアクションのキレの良さはお墨付き。ミシェル姐さんはバレエをベースとした、男には表現できないしなやかな動きで相手を圧倒。一方の真田広之も負けておらず、JAC(ジャパン・アクション・クラブ)仕込みの、力強さとスピードを兼ね備えた立ち回りを披露する。まさに柔と剛、見せ方の対比も巧みだと思う。取り分け、ラストのミシェル姐さんVSパイ・インのバトルが圧巻。工事現場の道具を駆使した殺陣は、画として観ていて面白く、格闘アクションと工事現場の相性の良さを誇示するかのよう。チェーンソーに立ち向かうミシェル姐さんの勇姿は、『プロテクター』で繰り広げられた、ジャッキーVSビル・ウォレスに負けずとも劣らずの緊迫感に包まれている。
しかし見ものはカンフー・アクションだけではない。日本の東京から始まり、旅客機、香港市街と続く戦闘。とにかくハデな画を意識した銃撃戦・カースタント・大爆発。しまいには『マッドマックス』みたいな近未来系の装甲車まで出てくる始末。香港映画らしい、安全性ゼロのハードコア・アクションが立て続けに炸裂する。ミシェル姐さんのチャーミングな笑顔も、物語と並行してハードさを増していく…。
真田広之は『龍の忍者』(そっちはまだ観てない)に続いて2度目の香港映画出演となる。日本のアクション映画での活躍が買われていたことが分かる。本作では復讐に燃えるダークヒーローを演じているが、これが意外によくマッチしててかっこいい。妻子に対して見せるパパの演技もすごく似合っていて和む。これぞ理想のパパってやつだ。会話が日本語のシーンもあるけど、香港人による吹き替えのため、残念ながら不自然さは否めない。本人の肉声を聞きたかったのが本心。でもそれにしては、流暢な日本語に聞こえなくもない。
縁あってミッシェルとヤマモトに協力(?)することになるのが、中国系アメリカ人のマイケル・ウォン演じるマイケル・ウォンだ。そのまんまやんけ。まあ香港映画にはよくあることだ。マイケルはミッシェルに好意を持ち、事件そっちのけで猛烈アタックを試みる。花束をミッシェルの自宅に贈りまくり、自分の変顔写真を添えたメッセージカードも贈り、彼女が乗るタクシーを自分の車で追いかけてクラクションを鳴らし続け、部屋の前まで追いかけてくる。ミッシェルは乗り気じゃないし、これはもはやストーカーの一種だね。さすがにキモい 笑